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治療効果のアップデート情報(2017年)

ニューシティ大崎クリニックの高活性NK細胞療法(大崎方式)の治療効果

高活性NK細胞療法(大崎方式)の治療効果とはどのようなものでしょうか?治療によって癌が小さくなることはうれしいことですが、癌の縮小がイコール延命効果ではないことがわかり、いまは治療薬の有効性を判断するには延命効果を示すことが必須となっています。高活性NK細胞療法(大崎方式)の膵臓癌における延命効果と免疫増強の関係についての最新情報です。

標準治療として使用される抗癌剤は国の承認を得るためには治験を行い、安全性と有効性を調べます。その有効性の判定には通常CT画像などによる癌の縮小で判定しますが、癌縮小効果が必ずしも延命には結びつかないことが分かり、2006年からは肺癌など罹患率が高い癌種を対象とする抗癌剤の承認には、第3相試験で延命効果を示すことが必須となりました(抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン、厚労省)。つまり、効果判定には腫瘍縮小だけでなく延命効果も必須項目となったわけです。

ニューシティ大崎クリニックは、「高活性NK細胞療法」の延命効果を当クリニックで治療した膵臓癌で解析し、この解析結果を2016年シンガポールで開かれたISCT(国際細胞治療学会、http://www.isct2016.com/program)と北京でのACTO(アジア細胞治療学会、http://acto2016.info/program)で招請講演をしてきました。膵臓癌を選んだ理由は、いろいろな癌のなかで一番追跡かつ解析しやすいからです。

当クリニックでは「高活性NK細胞療法」と抗癌剤との併用を基本とするので、その併用効果によって生存期間が抗癌剤だけよりも上回るかを調べました。クリニックでは抗癌剤単独の治療はしないため、すでに報告されている膵臓癌の生存期間と比較しました。これをヒストリカルコントロールといいますが、ここでは日本と台湾でおこなった臨床第3相試験であるGEST試験(J. Clin. Oncol. 2013)で比較しました。GEST試験では834例という多数の進行膵臓癌で、標準治療薬であるゲムシタビン(ジェムザール)、S-1(TS-1)、及び2剤の併用で生存期間を調べています。

当クリニックでこれまでに治療したステージ4の進行膵臓癌を遡って調べ77例で延命効果を解析することができました。治験で通常行われる患者選択基準と合わせるため、全身状態のグレードであるECOG Performance Statusを0〜1(ほぼ通常の生活ができる)とすると46例が該当しました。46例の中で併用した抗癌剤の比率は、ゲムシタビン50%, S-1 28%,2剤併用が17%、併用なしが5%でした。下の表はその結果です。

治療効果のアップデート情報01

標準治療では治療開始後の生存期間が8.8〜10.1ヵ月に対し、標準治療+高活性NK細胞療法では15.5ヵ月(範囲:4ヶ月〜57ヵ月)で標準治療だけよりも長い延命効果が認められました。ここで注意しなければならないのは、GEST試験は第3相臨床試験による「前向き試験」に対して、当クリニックで調べたのは過去の症例を調べる「後向き試験」で臨床試験のように厳密な手順によるものではないことです。しかし、この結果は「高活性NK細胞療法」を治験として進めてよいとする医学的根拠となりました。

もう一つ大事な点があります。免疫細胞療法併用による治療効果に本当に免疫が関係しているのかということです。方法として、細胞療法前後で、血液中の免疫細胞の変化を定期的に調べればわかります。それを膵臓癌+肝転移+腹膜播種の患者さんで示します。この患者さんでは、10回分の細胞投与で、NK細胞だけで896億個(全投与細胞数では1561億個)が入りました。

投与後に体のなかでどんな免疫変化が起こったか調べると、グラフにあるように、大量の培養免疫細胞が体に入ったあと、血液中のNK細胞数とNK活性(NK細胞の癌細胞殺傷力)が非常に低い状態から急速に上昇しました(2016年Cytotherapyに論文として発表)。つまり、ゲムシタビン+S-1の標準化学療法中は低かった免疫状態が、高活性NK細胞療法後から体の中を流れるNK細胞などで量的にも質的にも増強し、癌への免疫的攻撃力が強化されたわけです。その結果、腹腔内の4〜5cmの大きな転移腫瘍は免疫療法開始後約3ヵ月に消失しました。

治療効果のアップデート情報02

免疫を抑える抗癌剤の併用にもかかわらず、このような免疫増強が起きた理由は、NK細胞など活性の高い1500億個以上の免疫細胞が投与され、癌自体や抗癌剤による免疫抑制状態に打ち勝ったと考えられます。

それでは検討した46例の膵臓癌ではどうだったでしょうか。高活性NK細胞療法の影響を正確にみるために、(標準治療後ではなく)NK細胞治療後の生存期間と血液中の免疫変化を治療前と6〜10週後で比較しました。NK細胞治療前後の免疫検査は44名で調べることができましたが、ここでは生存期間の短かったグループA(4ヵ月〜10ヵ月、平均6.1ヵ月、19名)長かったグループB(11ヵ月〜45ヵ月、平均17.2ヵ月、25名)との2つのグループに分けて比較しました。

治療効果のアップデート情報03

図に示した値(中央値)をみると、まずグループA, BともにNK細胞療法前では、血液中のNK細胞数、NK活性は健常者より低く、癌では免疫力が落ちていることがわかります。しかしNK細胞療法後の変化をみると、生存期間の短かったグループAに比べ、生存期間の長かったグループBではっきりと上昇し、しかもその値は健常者よりも高く上昇しています。

免疫細胞療法で延命効果を出すには、からだの弱った免疫状態、例えば正常以下に下がったNK細胞数やNK活性を健常者以上に上昇させ、からだ全体の免疫力を押し上げることが重要であることがわかります。そのためにはできるだけ多くの免疫細胞を投与した方が効果的です。

生存期間の伸びなかったグループAではなぜ上昇がみられなかったかその理由はいろいろと考えられます。高い可能性として、癌の大きさや転移など癌の進行度の問題、また癌や抗癌剤による免疫抑制が強すぎ、これに打ち勝つことが難しかったのかもしれません。これらのことからも、免疫治療は、癌が強くなりすぎる前に、まだ免疫療法に反応する免疫の余力があるうちに始めることが大事です。

当クリニックでは、治療の前後で必ず、NK細胞、NK活性など免疫検査をしながら免疫的効果を確認し治療を進めています。

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