近い将来、2人に1人ががんになると予想され、がんは誰にでもなりうる普通の病気になろうとしています。しかし、早期がんであれば治癒する可能性は高いものの、がんが進行するほど、化学療法、外科治療、放射線療法の3大療法を駆使しても、その治療成績は悪くなります。1980年代から、米国のローゼンバーグらが免疫細胞を使ってがん(おもにメラノーマ)を治療しようとする試みを始め、改良を繰り返しながら、現在では特殊な治療を併用するもののがん縮小が2人に1人と治療効果を格段に上げています。日本でも、活性化リンパ球療法が肝がん手術後の再発を抑えることが明らかになり、がんの第4の治療法として知られるようになりました。
このなかで免疫療法の一般認識は、抗がん剤治療におけるがん縮小率からみた効果判定方法は免疫療法には必ずしも当てはまらず、ゆっくりした効果、QOL(生活の質)の改善、副作用がない、といったマイルドな面が強調されていました。しかし、米国での進歩があるように、免疫療法もこのような評価に安住せず、副作用なく、進行・再発がんでもがん縮小をもたらし長期に進行をとめ、これまでなかったような延命をはたすことが求められています。
当クリニックでは倫理審査委員会の承認のもと、培養法に改良を重ね、高活性NK(ナチュラルキラー)細胞を大量に含んだ免疫細胞療法が可能になりました。これと副作用の少ない経口抗がん剤との併用によって、がんの縮小が劇的におこることも珍しくないことがわかってきました。また、末梢血リンパ球数とNK活性の上昇など患者さんの免疫力の増強も明らかになりました。これらの効果が長期延命や再発阻止に確実につながるように日々研究努力し、がん患者さんががんと闘う勇気が出るようにお手伝いをしたいと考えております。