活性化して抗がん効果を高めたTリンパ球、NK細胞などのリンパ球をできるだけ大量に投与したほうがよいのは、動物実験でも明らかになっています。10億個のがん細胞で直径1cmのかたまりをつくると言われています。直径3cmならば300億個近くになります。これに対して、活性化リンパ球を静脈に入れると全身に散らばり、そのあと肝臓、脾臓に多くが集まります。そのため、がん病巣やリンパ節にすべて集まることはなく、投与したリンパ球数が少なければ非力です。ならば、できるだけ大量に培養して投与することは重要なことになります。
当クリニックでは、1回で100億個以上の活性化リンパ球を投与するため培養技術を改良してきました。また、30ccあまりの血液から、Tリンパ球だけでなく、100億個をこえる高活性のNK細胞を医薬品だけを使った安全な刺激法で培養できるようになりました。図1Aのように現在は150〜200億個の活性化リンパ球を1回で投与しています。このなかに高活性NK細胞(CD3−CD56+リンパ球)を調べると、図1Bに示すように20%から80%まで個人により大きな差がありますが、平均52%含まれます。NK細胞だけに純化する必要はまったくなく、むしろ活性化Tリンパ球が混在し、異なるメカニズムで癌細胞を攻撃できるほうがよいと思います。NK細胞は平均50%前後になるように調節しながら培養法を工夫しています。このような大量投与よって、100億個以下の投与ではみられなかった末梢血中のリンパ球増加、NK細胞増加(免疫力増強効果)が持続的に見られるようになりました。