1回の治療に35ccの血液が必要です。献血の10分の1以下の血液量ですから問題になることはありません。
培養したリンパ球は生理的食塩水100ccに浮遊させた状態で小さなバッグに入っています。これを腕の静脈から点滴で投与しますが約40分で終了します。来ていただいてから、血圧等のチェック、診察を含めて90分ですべて終了します。
患者さんによってかなり異なりますが、1コース6回、3ヶ月の治療を基本にしています。腫瘍の縮小、腫瘍マーカーの低下は、最初のこの期間にあらわれます。腫瘍の増大が止まらないときは相談の上治療を中止します。上述した効果のほか、腫瘍増大や腫瘍マーカー上昇が横ばいになったときは、可能であれば、投与間隔を徐々に1ヶ月に1回、2ヶ月に1回と伸ばしながら、投与を継続することをお勧めします。11回目以降は、患者さんの負担を減らすため治療費を20%減額しました。
最初の1、2回の投与で、2〜3割の患者さんに37.5℃〜38℃以上の発熱があります。リンパ球投与の当日にでますが、翌日になってでることはありません。放置しても1〜2時間で解熱しますので心配ありませんが、発熱時のためにカロナールを処方しています。
抗がん剤、放射線を行った直後のリンパ球はダメージをうけ増殖が著しく悪くなります。その場合、治療がはじまるまえに4回分ほどまとめてとって凍結保存することをお勧めします。抗がん剤の種類によっては増殖に影響を与えないものありますので、ご相談ください。
リンパ球を活性化させ増殖させるには約2週間かかります。しかし、いろいろな都合で予約日に来院できないときは1週間まで投与を延期することができます。
他の医療機関に入院中であっても、高活性NK細胞療法を受けることは可能です。しかし、それには主治医の了解が必要です。しかし、主治医の了解ができても、その病院の取り決めのため病院内ではできないことがあります。その場合は、外出届けを出して、当クリニックへ来ていただくか、自宅で行うか、あるいは投与が可能な最寄の病院、クリニックを探すことになります。詳しくは、お問い合わせください。
血液のがんである白血病以外のがんは治療が可能です。
現在のところ、高活性NK細胞料を含めた免疫細胞療法だけでがんを根治させることはできません。しかし、手術、抗がん剤、放射線療法を適切に組み合わせると、これらの治療による奏功率や延命効果をあげたり、また再発率をさげるという効果が期待できると考えています。もちろん数百例の単位で得られたエビデンスはありませんが(現在の状況ではこのエビデンスを得ることは困難です)、たとえば免疫細胞療法によって肝がんにおいて切除後の再発率をさげるという論文が出ています。
がん病態、さらに抗がん剤の使用などで患者さんの弱った免疫力を引きあげ、がんと闘う力をつけることが重要です。しかし、これまでの化学療法を中心とするがん治療は患者さんの免疫状態を軽視しがちではなかったかと思います。実際に患者さんのリンパ球を調べると、健常人とはずいぶん違います。これを是正し、さらにそれ以上にすることが、奏功率、延命期間の改善、さらには治癒にもつながっていくのではないかと思います。
NK細胞だけを入れるよりも、Tリンパ球も混在していたほうがよいと考えています。がん細胞はNK細胞に効きやすいもの、Tリンパ球に効きやすいものがそれぞれあるためです。当クリニックでは、できるだけそれぞれが50%くらいになるように調整しながら培養増殖させています。増えてくるTリンパ球はおもにNKG2D陽性の細胞傷害性(CD8)Tリンパ球です。これらのTリンパ球はCD56陽性率が高く、がん細胞を殺傷する力が非常に強いのが特徴です。